皆さま、こんにちは!
社会保険労務士法人Voiceです。
年金制度改革法案の2回目です。今回は「在職老齢年金制度の見直し」と「厚生年金保険の標準報酬月額の上限の引上げ」についてです。
・在職老齢年金制度の見直し
在職老齢年金制度は、老齢厚生年金を受給しながら働く高齢者について、一定額以上の報酬(毎月受け取る賃金など)のある方は年金制度を支える側に回っていただくという考え方に基づき、老齢厚生年金の支給を調整する仕組みです。現在の制度では、報酬と老齢厚生年金の額の合計が月51万円(2025年度の場合)を超えると、超えた分の半額が支給停止となります。
平均寿命・健康寿命が延びる中で、働き続ける高齢者も増えています。また人材確保・技能継承等のため高齢者の活躍を求める世の中のニーズも高まっており、「高齢者の活躍を後押しする」、「働きたい人がより働きやすい仕組みとする」という観点から、老齢厚生年金が支給停止となる基準額を、2026(令和8)年4月より、月62万円へ引き上げることを予定しています(なお、基準額は毎年改定されます)。
・厚生年金保険の標準報酬月額の上限の引上げ
厚生年金保険の保険料は、報酬に保険料率を掛けて計算しますが、報酬をそのまま使うと計算が複雑になるため、便宜上、報酬を一定の額ごと32の等級に区分し計算することとしています。この区分された報酬の月額を標準報酬月額といい、年金の給付額に大きな差が出ないようにするため、また、保険料の半分を負担する事業主の負担を考慮し、現在は、65万円を標準報酬月額の上限としています。
そのため、報酬の額が現在の上限である65万円を超えると、その額が増えても保険料は変わらず、上限を超える報酬を受け取っている方は、実際の報酬に対する保険料の割合が低く、収入に応じた年金を受け取ることができない状態となっています。
そこで、今回の改正により、現行の上限「65万円」を次のように段階的に引き上げることとなりました。
2027(令和9)年9月→「68万円」
2028(令和10)年9月→「71万円」
2029(令和11)年9月→「75万円」