皆さまこんにちは!
社会保険労務士法人Voiceです。
労働者災害補償保険(いわゆる労災保険)は、業務上または通勤途上の災害によって労働者が被る損害を補償し、生活の安定と社会復帰を支える制度です。
近年、就業形態の多様化や就業する女性や高年齢労働者の増加などを背景に、制度の在り方について見直しが求められてきました。
こうした中、令和7年12月18日に労働政策審議会労働条件分科会労災保険部会から「労災保険制度の見直しについて(概要)」が公表されました。
見直し案には法改正が必要な事項が含まれており、厚生労働省は令和8年の通常国会に労災保険法の一部を改正する法律案を提出する方針です。
今回は、その中から遺族(補償)等年金の見直しポイントについてお話します。
現在の労災保険制度では、遺族(補償)等年金の支給要件において、夫と妻の間に差が設けられていました。
・妻:原則として年齢や障害の有無に関わらず支給対象
・夫:妻の死亡時に「55歳以上であること」または「一定の障害状態にあること」※ただし60歳に達するまでの間は支給停止
今回の見直しでは、夫にのみ課されていた年齢要件・障害要件を撤廃し、支給要件を男女で統一することが適当とされました。これにより、性別による不合理な取扱いを解消し、制度の公平性を高めることが目的とされています。
給付水準に関しても、見直しが予定されています。
・遺族1人の場合の遺族(補償)等年金の額:給付基礎日額の153日分
※55歳以上または一定の障害の状態にある妻1人の場合は給付基礎日額の175日分(妻のみの加算の特例)
この妻のみの加算の特例が廃止となり、その代わり、遺族1人の場合における給付基礎日額(153日分)が175日分に引き上げられる予定です。